障害年金と生活保護の関係

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2022年09月16日

1 障害年金と生活保護

 障害年金は、収入に関係なく、病気や傷害が原因で、日常生活や業務に支障がでるようになった場合に支給される年金です。

 生活保護は、収入が法令で定められる最低生活費を下回る場合に、収入との差額が支給される制度です。

 ただし、一定の資産があるような場合には受給できません。

 病気や怪我が原因で仕事を失った場合などには、障害年金と生活保護の両方の受給要件を満たすことがあります。

2 障害年金と生活保護の併給

 生活保護は、収入を補う制度ですので、障害年金を受給する場合、保護費は、障害年金の金額を差し引いた金額が支給されます。

 このように、障害年金と生活保護を併給することはできません。

 障害年金は、障害認定日に遡って受給することができるため、最長で5年分を受給することができます。

 しかしながら、障害年金を遡って受給する場合、その間に生活保護を受給していた場合には、収入がありながら生活保護を受給していたことになるため、受給した障害年金を限度として、保護費を返還しなければなりません。

 このため、障害年金を遡って受給しても、手元には残らない可能性があります。

 このため、生活保護を受給されている方が障害年金を申請される場合には、あらかじめ、返還の可能性を考慮しておく必要があります。

3 障害年金を受給する意味

 障害年金の1級または2級に該当する場合、生活保護について、障害者加算の認定を受けられます。

 障害年金の等級及び居住地により金額に違いがありますが、概ね2万5000円から1万5000円ほど保護費が加算されます。

 生活保護は、収入が基準を超えた場合には受給できなくなる一方、障害年金には、20歳前の傷病による障害基礎年金を除き、所得制限はありません。

 このため、将来、就労し自立を目指すという点において、障害年金を受給する意味があります。

 このように、生活保護を受給されている方であっても、障害年金を受給する意味がございます。

 名古屋にお住まいで障害年金に興味がある方は、当法人にお問い合わせください。

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