20歳前傷病の障害年金
1 20歳前傷病と障害年金
障害基礎年金は、原則として、国民年金に加入している間に初診日がある病気やケガによる障害に支払われる年金です。
ところが、20歳前の時点では、国民年金に加入することができません(会社員等で厚生年金に入っている場合を除く)。
加入しようとしても加入できないのに障害年金が受け取れないとすると、20歳前に初診日のある傷病(20歳前傷病)の方が非常に不利益を受けてしまいます。
そこで、20歳前の年金に加入していない期間に初診日のある方であっても障害基礎年金の対象となることが認められており、これを「20歳前傷病の障害年金」といいます。
2 20歳前傷病の障害年金の注意点
20歳前傷病の障害基礎年金の申請の際は、初診日において年金加入前ですので、受給に必要な三要件の1つである保険料納付要件が必要なくなります。
ただし、20歳前傷病の障害基礎年金の場合は国民年金保険料を納めていないことから、通常の障害基礎年金の場合とは異なり、所得額や扶養親族の数に応じて所得制限が設けられています。
所得制限を超えた場合、扶養親族の数や所得額によりますが、障害基礎年金の2分の1が支給停止されるか、全額が支給停止されるかの二段階があります。
なお、20歳前に初診日がある場合でも、厚生年金に加入している方は、障害厚生年金を請求することができます。
3 20歳前傷病の障害基礎年金の受給金額
20歳前傷病の障害基礎年金を受け取る場合、障害等級は1級と2級があります。
令和5年度の1級の年金額は年99万3750円(月8万2812円)、2級は79万5000円(月6万6250円)となっています。
障害基礎年金の受給者に生計を維持されている子(原則として、18歳になって以降最初に到来する3月31日までに限る)がいるときには、子の加算が支給されます。
4 20歳前傷病の障害認定日
20歳前傷病の場合は、初診日が18歳6か月より前の場合には、実際に病院に行った初診日がいつであるかに関わらず、20歳の誕生日の前日が障害の程度を認定する日になります。
従って、初診日が18歳6か月より前にある傷病に場合には、20歳になったらすぐに障害基礎年金の申請することができます。
初診日が18歳6か月より前にある傷病の場合は、20歳の誕生日の前日の前後3か月以内の診断書が必要です。また、診断書の他にも様々な書類が必要になります。
障害年金を申請してから実際に受給するまでには審査があり、審査には時間がかかります。
なるべく早く障害年金を受け取るためには、申請可能になってすぐに申請ができるようにあらかじめ準備しておかなければなりません。
20歳になってから準備したのでは、実際に受給し始める時期が遅くなってしまいます。
20歳前傷病の障害年金は、なるべく早く障害年金を受け取れるように20歳前から準備しておきましょう。
お役立ち情報
(目次)
- 障害年金を受給するためのポイント
- 障害年金の相談窓口
- 障害年金申請の手続きと流れ
- 障害年金の申請期間
- 障害年金で必要な書類
- 障害年金における初診日
- 障害年金申請で診断書の記載が重要な理由
- 働きながら障害年金を受給できる場合
- 障害年金の種類
- 障害年金の計算方法
- 障害年金の納付要件
- 20歳前傷病の障害年金
- 障害年金受給中に新たな障害が発症した場合の対応方法
- 新型コロナウイルス後遺症と障害年金
- 精神疾患について障害年金が認められる基準
- ADHDで障害年金を受け取れる場合
- 聴力の障害で障害年金が認定される場合
- 脳梗塞で障害年金が受給できる場合
- 高次脳機能障害で障害年金が受け取れる場合
- 肺結核で障害年金を請求する場合のポイント
- 人工関節で障害年金を申請する際のポイント
- ICDで障害年金が受け取れる場合
- 難病で障害年金が受け取れる場合
- 障害年金と生活保護の関係
- 不支給通知が届いた場合
- 障害年金がもらえない理由
- 額改定請求について
- 障害年金の更新に関する注意点
- 精神疾患の障害年金の更新時の注意点
- 障害年金の永久認定
- 障害年金と障害者手帳の違い
- 特別障害者手当
- 障害者手帳について
- 障害者年金
- 社会保険労務士とは
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