障害年金を受給することのリスクはあるのか

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2025年04月11日

1 受給することのリスクはほとんどない

 障害年金を受給することのリスクはほとんどありません。

 障害年金は非課税なので税金もかからず、勤務先に申告する必要もありません。

 確かに、生活保護費、傷病手当金、労災保険給付は障害年金の支給を受けると、併給の調整が行われます。

 児童扶養手当については、障害基礎年金の子の加算部分または3級の障害厚生年金の支給を受けると、併給の調整が行われます。

 ただ、これらは、支給された障害年金(児童扶養手当との調整の場合、障害基礎年金については子の加算部分のみ)の金額分、他の給付が減り、全体としてみると給付される金額が変わらないということであり、障害年金の支給を受けることにより、全体としてみた支給が減るということはありません。

 そのため、障害年金の支給を受けることのリスクとはいえないと考えられます。

2 遡及して支給が認められると過去に支給を受けていた傷病手当金等の返還を求められる

 ただ、過去に遡及して支給が認められた場合には注意が必要です。

 過去に遡及して障害年金の支給が認められた場合には、その間に受けていた生活保護費や傷病手当金等についても、障害年金が過去に遡って支給された金額の限度で、返還する必要があるからです。

 そのため、かなりの金額を返還する必要が生じることが多いです。

 したがって、過去に遡及して障害年金の支給が認められ、併給の調整が行われる方は、返還の請求が来た時に対応できるよう、支給された障害年金を残しておく必要があります。

3 社会保険上の扶養を外れる場合がある

 また、障害年金の給付は非課税ですが、障害年金の収入もあわせて、収入が180万円を超えると社会保険(健康保険及び厚生年金保険)上の扶養を外れることになります。

 障害年金の支給のみで年収が180万円を超えることは多くありません。 ただ、他の収入もある方は、障害年金と合わせて年収が180万円以上になる場合には、社会保険上の扶養を外れ、自ら国民健康保険料、国民年金保険料を負担しないといけないというリスクを負うことになります。

4 障害年金の申請で気になる点があれば

 以上のように、障害年金を受給することのリスクはほとんどありません。

 ただ、その方の考え方次第では、上記の他にもリスクととらえられることがあるかもしれません。

 障害年金の申請をお考えで、なにか気になる点がある方は、まずは専門家にご相談ください。

お役立ち情報
(目次)

お役立ち情報トップ

0120-25-2403

お問合せ・アクセス・地図

PageTop