障害年金の一人暮らしに関するQ&A

文責:社会保険労務士 大原啓介

最終更新日:2022年10月13日

障害年金の一人暮らしに関するQ&A

Q一人暮らしの場合、2級の障害年金を受給することはできないと聞きましたが、何か理由がありますか?

A

 精神の障害に関する障害年金の要件に関わってきますが、全く受給できないわけではありません。

 障害年金は、病気や怪我の影響により、生活が困難となっている方に支給される年金です。

 特に、精神の障害に関する障害年金は、日常生活において家族等の援助を受けているかどうかが考慮要素となっているため、一人暮らしができている、ということは、症状が軽いと判断される事情となります。

 しかしながら、障害年金認定の基準となる「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」において、一人暮らしであることは、それだけでは障害の認定を否定する要素とはされておらず、一人暮らしでも2級の障害年金が認定される可能性はあります。

Q一人暮らしの場合、障害年金の認定にあたってどのような点を見られますか?

A

 一人暮らしであっても、家族等の援助によって生活できているかどうかが確認されます。

 精神の障害に関する障害年金の等級は、診断書の「日常生活能力の程度」及び「日常生活能力の判定」を元にして目安となる障害等級が決められ、総合考慮のうえ等級が決まります。

 「日常生活能力の程度」の判断にあたっては、「助言や指導」を必要とするかどうかが考慮要素となるため、一人暮らしができるということは、それらは必要ないのではないかとの方向に働きます。

 一方で、「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」においては、「独居であっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)は、それらの支援の状況(または必要性)を踏まえて2級の可能性を検討する」としており、また、「独居の場合、その理由や独居となった時期を考慮する。」としており、独居の場合であっても、障害年金を受給できる可能性があることを認めています。

 独居であるからといって、障害年金の受給を諦める必要はありません。

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